ごあいさつ
北勢緩和ケアネットワークは三重県北勢地域におけるより良い緩和ケアの実現を目的に設立された非営利の組織です。
我が国では、世界に類を見ないがん征圧のための法律である『がん対策基本法』が平成19年に施行され、がんに対する総合的かつ計画的な対策が新しく始まりました。その中で、がんそのものの治療のみならず緩和ケアの重要性が指摘され、がん終末期における緩和ケアの充実はもちろんのこと、治療段階から必要に応じた緩和ケアを実施することや地域社会へ緩和ケアを展開することの重要性から「がんと診断された時からの緩和ケア」が提唱されています。
その『がん対策基本法』に先立つ平成17年に北勢緩和ケアネットワークの前身である「北勢緩和ケア研究会」が三重県立総合医療センター、市立四日市病院、四日市社会保険病院(現四日市羽津医療センター)を中心として発足し、医療者向けの勉強会や症例検討会を年数回開催してきました。
その後、平成19年には地域の医療機関、訪問看護・訪問介護事業所などの相互連携を図り、医療・介護者の知識・技術の向上を目的とした勉強会・症例検討会を充実させ、さらに一般の方への啓発活動・情報提供のための「市民公開講座」を開催することとしました。それを機に「北勢緩和ケアネットワーク」と名称変更を行い、現在に至ります。
緩和ケアでは痛みなどの身体的な症状だけでなく、落ち込み・悲しみなどの精神・心理的な苦痛や社会生活上の不安を緩和していくことで、がん患者さんの生活の質(QOL)の向上を目指します。これら緩和ケアはがん終末期の患者さんだけでなく、治療中の患者さんにも適応されます。また、最近はがんだけでなく、心不全などの臓器不全や神経難病などに対しても緩和ケアの必要性が言われています。
当ネットワークではこれからも地域が一体となりより良い緩和ケアが実践されるよう努力してまいります。地域全体で盛り上げていくためにも皆様のご参加、ご協力をお待ちしております。
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